2014年6月、スペイン・スパークリングワイン最大手のコドルニウ社主催のディナー会が催されました。コドルニウ・グループ(Grupo Codorniu)は、1551年に創業され、450年以上の歴史を持ち、現当主が18代目という長い伝統を誇るワイナリー・グループです。コドルニウのカバはスペイン王室御用達で、スペイン王室の祝典などでも必ずコドルニウのカバが使われています。1872年にフランスのシャンパーニュと同じ伝統方式(瓶内二次発酵)による「カバ」をスペインで初めて誕生させ、全世界に広げました。現在はスペインのバルセロナに本社をおき、傘下にスペイン国内8つ、カリフォルニア、アルゼンチンにそれぞれ1つの計10のボデガ(ワイナリー)を所有しています。
名実ともに世界最高峰のカバの造り手であるコドルニウ社現地より、 醸造責任者 Bruno Colemer ブルーノ コレメル氏が来日、「おいしいカバを造るには、良いフトウから」を 徹底的に実践し、彼のカバ造りに対する真摯な情熱に加え、ユーモア溢れるスピーチでディナー会は始まりました。コドルニウ社にカバは5種、スティルワインは2種の合計7種ご用意していただきました。
当日のアイテムは、
CODORNIU
1.Anna de Codorniu Brut
アナ デ コドルニウ ブルット2.Anna de Codorniu Rose Brut
アナ デ コドルニウ ロゼ ブルット1659年にラベントス家に嫁ぎ、コドルニウ家最後の人物となったアナ・コドルニウに敬意を表したカバです。すっきりとした食前酒に最適なブルット、華やかかつ豊かな果実味で、食中酒としても最適なロゼも同時サービスいたしました。
3.Reina Maria Cristina Blanc de Noirs 2010
レイナ マリア クリスティーナ ブラン ド ノワール1897年、当時のスペイン王妃レイナ・マリア・クリスティーナによって、スペイン王室御用達にコドルニウが任命されました。その後、王室でのさまざまな行事でコドルニウのカバが使用されています。その王妃を讃え、スペイン初の本格ブランドノワールに成功、ピノノワール100%の厚みと複雑さも加わり、素晴らしい出来ばえです。
4.Gran Codorniu Gran Reserva Xarel.lo Finca la Nansa 2007
グラン コドルニウ グラン レセルバ チャレロ フィンカ ラ ナンサ5.Gran Codorniu Gran Reserva Chardonnay Finca la Pleta 2007
グラン コドルニウ グラン レセルバ シャルドネ フィンカ ラ プレタ共に単一畑(fincaは畑の意味)でつくられ、50ヶ月の長い熟成を経た、特別なグランレセルバ。2007年の素晴らしいヴィンテージが生んだ、他に例を見ない熟成したカバです。
カバの中心的な品種チャレロを使用した フィンカ ラ ナンサは、その豊富な酸に圧倒される程のまだ若々しさが残っているのがとても印象的。それに対し、シャルドネ100%を使用したフィンカ ラ プレタはそのふくよかを活かし、まるで熟成した上級な白ワインを彷彿させるような味わい。2種とも今回が日本初お披露目となり、お客様より感嘆の声があがりました。
RAIMAT
6.Chardonnay 2012
7.Tempranillo 2011
バルセロナ西の位置するコステルスデルセグレの2種のスティルワイン。やわらかな口当たりのシャルドネ、なめらかな果実味を全面に押し出したテンプラニーリョ。双方ともに飲み手を選ばない、とても親しみやすい味わいに仕上がっています。「カバ」と聞くと安価なイメージを持たれる方も、まだ少なくないかと思います。コドルニウ社はまさにそのイメージを植え付けた張本人かもしれません。ただそこには、技術(安定した品質の徹底)と想い(より多くの方に楽しんでもらう)の両立の他にありません。その2つの哲学を軸に、素晴らしいブランドノワールの実現や、もはやカバを超越したヴィンテージ・カバなど様々な挑戦をし、歴史の創設者であると同時に今もなお牽引しつづけている生産者でもあります。
カバを食前酒からメインまで楽しんでいただくディナー会は初めてですが、沢山のお客様にスティルワインとはまた違った角度でお楽しみいただけたかと思います。世界中で親しまれているブランド故の重圧を背負うブルーノ コレメル氏の「カバは楽しく飲むのが一番」と口にされたときの笑顔が忘れられません。カバはカタルーニャで生まれ、サンパウも生粋のカタルーニャ料理。この両者のマリアージュ会をサンパウ東京で催された事を誇りに思います。
ありがとうございました。
菊池 貴行